電気工事士の難易度・合格率・受験資格【第二種・第一種|一次データで中立解説】

「電気工事士って難しいの?」── 資格を検討するとき、まず気になるのが難易度です。ただ「簡単」「難しい」は人によって感じ方が違います。本記事では、電気工事士(第二種・第一種)の難易度を、合格率の一次データと受験資格の両面から中立に整理します。合否は最終的に本人の学習量・経験によりますが、まずは客観的な数字で全体像をつかみましょう。なお「受験は誰でもできる」一方で「第一種は免状の取得に実務経験が必要」など、混同しやすい点も整理します。

なお本記事は、データに基づく中立性を保つことを編集方針としています。詳しくは 編集ポリシー免責事項 をご覧ください。

1. 結論先出し ── 難易度・合格率の3つの要点

最初に、難易度を判断するうえでの要点を3つに整理します。

  1. 受験資格なし(誰でも受験できる):年齢・学歴・実務経験・国籍を問わず受験できます。ただし第一種は「受験」と「免状交付」が別で、免状には実務経験が必要です
  2. 合格率の目安:第二種は学科おおむね55〜60%・技能おおむね70%前後、第一種は学科おおむね55〜62%・技能おおむね55〜62%で推移しています
  3. 第一種は令和6年度から年2回に:第一種も上期・下期の年2回受験できるようになりました(令和5年度までは年1回)

「難しい・簡単」は断定できるものではありません。以降は合格率の実数を年度ごとに見ていきます。

2. 受験資格 ── 誰でも受験できる(免状は別)

電気工事士試験は、第二種・第一種とも受験資格に制限がありません。年齢・学歴・実務経験・国籍を問わず、誰でも受験できます。

ただし注意したいのが、「試験の合格」と「免状の交付」は別だという点です。第二種は試験に合格後、所定の申請により免状が交付されますが、第一種は試験に合格しても、免状の交付には実務経験(3年以上)が必要です。つまり第一種は「受験は誰でもできるが、免状を手にするには実務経験が要る」という二段構えになっています。免状交付の詳しい要件や第二種から第一種へのステップは、電気工事士とは|第二種・第一種の違い・できること・将来性 で整理しています。

3. 合格率データ ── 第二種電気工事士【年次推移】

第二種の合格率を、年度・期ごとに見ていきます(電気技術者試験センター/取得日 2026-05-24)。学科と技能の2段階で、それぞれに合格率があります。

年度 区分 学科 合格率 技能 合格率
令和5 上期 59.9% 73.2%
令和5 下期 58.9% 68.8%
令和6 上期 60.2% 71.0%
令和6 下期 55.9% 69.5%
令和7 上期 57.7% 72.0%
令和7 下期 55.4% 71.4%

※受験者数は各回おおむね学科6〜7万人・技能4〜5万人規模です。

データを読み解く

第二種は学科がおおむね55〜60%、技能が70%前後で推移しています。技能の合格率が学科より高く見えますが、これは技能試験の受験者が「学科を通過した人」に絞られているためで、技能のほうが必ず易しいという意味ではありません。学科と技能は受験する母集団が異なるため、合格率を単純に比較することはできません。学科・技能の2段階それぞれを通過する必要がある、という前提で数字を見るのがポイントです。

4. 合格率データ ── 第一種電気工事士【年次推移】

第一種の合格率です(電気技術者試験センター/取得日 2026-05-24)。第一種は令和6年度から上期・下期の年2回になりました(令和5年度までは年1回)。下表は年度ごとの合格率です。

年度 学科 合格率 技能 合格率
令和5(年1回) 61.6% 60.6%
令和6(年2回・計) 56.7% 59.9%
令和7(年2回・計) 57.4% 58.1%

※令和6・7年度は上期・下期を合算した数値です。

データを読み解く

第一種は、上期・下期の回ごとに見ると学科・技能ともおおむね55〜62%の範囲です。第二種と比べると技能の合格率が一段低い傾向があります。背景には、第一種が自家用電気工作物まで扱う上位資格で出題範囲が広いことに加え、受験者層の違い(実務者が多い)もあります。令和6年度からの年2回化で、受験のチャンスが年1回から年2回に増えた点は、学習計画を立てやすくなった変化といえます。

5. 試験の形式と合格基準 ── 学科はおおむね60点・技能は「欠陥なし」

合格率の背景にある、試験の形式と合格ラインも押さえておきましょう。

5.1 学科試験

学科試験は四肢択一のマークシート方式で、合格基準点はおおむね60点(100点満点)です(年度により調整される場合があります)。近年はCBT方式(パソコンでの受験)と筆記方式を選べるようになっています。

5.2 技能試験

技能試験は実技で、制限時間内に課題を完成させ、「欠陥」が一つもなければ合格です。配線や接続の不備などが「欠陥」と判断されます。具体的な判断基準は、電気技術者試験センターが「欠陥の判断基準」として公開しています。

もう一歩詳しく

学科がCBTか筆記を選べること、第一種も含めて年2回受験できることは、学習計画の自由度が上がる変化です。一度で合格できなくても次の機会が比較的早く来るため、「学科はCBTで早めに通し、技能対策に時間を充てる」といった組み立ても可能になっています(具体的な学習量の目安は、別記事電気工事士の学習時間・学習の進め方で扱っています)。

6. 難易度の位置づけ ── 他の電気系資格と比べて

合格率を事実として横並べすると、電気系の国家資格では第二種電気工事士 → 第一種電気工事士 → 電験三種(第三種電気主任技術者)の順に合格率が下がる傾向があります(各試験の公表値より)。

公表されている合格率で見るかぎり、電気工事士は電験三種より高い水準で推移しています。ただしこれは「簡単」という意味ではありません。学科・技能の両方を通過する必要があり、特に技能は練習が欠かせません。具体的な学習量や進め方は 電気工事士の学習時間・学習の進め方 で、対策に通信講座を使うかどうかは 電気工事士の通信講座を比較した記事 で整理しています。

7. よくある質問(FAQ)

Q:電気工事士試験は難しいですか?

A:合格率は第二種で学科55〜60%・技能70%前後、第一種で学科55〜62%・技能55〜62%程度です。数字だけ見れば極端に低くはありませんが、合否は本人の学習量・経験により異なるため「難しい/簡単」と一概には言えません。学科・技能の2段階を通過する必要があります。

Q:受験資格はありますか?誰でも受けられますか?

A:第二種・第一種とも、年齢・学歴・実務経験・国籍の制限はなく、誰でも受験できます。

Q:何回で受かりますか/一発で受かりますか?

A:一概には言えません。学科と技能の2段階をそれぞれ通過する必要があります。学科に先に合格し、技能を次の機会に挑戦することもできます(学科合格者は次回以降の学科が免除されます。詳しくは後述のFAQをご覧ください)。なお学科・技能とも年2回(上期・下期)の受験機会があります。

Q:学科は何点で合格ですか?

A:おおむね60点(100点満点)以上が目安です(年度により調整される場合があります)。CBT方式と筆記方式を選べます。

Q:技能試験はどう採点されますか?

A:制限時間内に課題を完成させ、「欠陥」が一つもなければ合格です。判断基準は電気技術者試験センターが公開しています。

Q:学科に受かって技能で落ちたら、翌回はどうなりますか?

A:学科試験の合格者には、次回の学科試験が免除される制度があります。さらに2024年(令和6年)12月の電気工事士法施行令の改正により、免除の範囲が「次回まで」から「次々回まで」に拡大されました。適用の範囲・条件は受験年度・回によって異なる場合があるため、受験案内で最新の扱いをご確認ください。受験回数を考えるうえで、こうした免除の有無も確認しておくとよいでしょう。

Q:第一種は試験に受かれば免状が交付されますか?

A:受験は誰でもできますが、第一種は免状交付に実務経験(3年以上)が必要です。詳細は 電気工事士とは を参照してください。

8. まとめ ── 数字で全体像をつかみ、対策へ

本記事では、電気工事士の難易度を合格率の一次データで整理してきました。

  • 受験資格なし:誰でも受験できる(第一種の免状交付には実務経験3年)
  • 合格率:第二種=学科55〜60%/技能70%前後、第一種=学科・技能とも55〜62%程度
  • 第一種は令和6年度から年2回:受験機会が増え、学習計画を立てやすくなった

合格率は「難易度の目安」にはなりますが、最終的な合否は本人の学習量・経験によって変わります。数字で全体像をつかんだら、次は学習方法や対策講座の検討へ進むとよいでしょう。

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出典


文責:現場エンジン編集部
最終更新日:2026-05-24