施工管理技士の取得費用はいくら?受検手数料・講座費・給付金まで【種目別】

施工管理技士の取得にかかる費用は、「いくらか」を一言で答えるのが難しい資格です。7種目(土木・建築・電気工事・管工事・造園・建設機械・電気通信工事)×1級・2級で受検手数料が異なり、独学か通信講座かで学習費も大きく変わるからです。本記事では、施工管理技士の費用を受検手数料・学習費(講座費)・取得後の関連費に分け、各機関の公式情報をもとに解説します。あわせて、教育訓練給付金で抑えられる範囲(と抑えられない範囲)も明示します。

資格の全体像は 施工管理技士とは|7種目・1級と2級の違い・できること・将来性、受験資格は 施工管理技士の受験資格をわかりやすく解説 で扱っています。

なお本記事は、データに基づく中立性を保つことを編集方針としています。詳しくは 編集ポリシー免責事項 をご覧ください。

1. 結論先出し ── 施工管理技士の費用の3つの要点

最初に、費用の要点を3つに整理しておきます。

  1. 費用は「受検手数料/学習費/取得後の関連費」の3層:受検手数料に加えて、独学なら教材費、講座なら受講料がかかります
  2. 受検手数料は種目で異なる:1級第一次で土木12,000円〜造園17,200円と差があり、建設機械は実技を含む別体系です(令和7年改定後)
  3. 給付金は講座費(受講料)の一部が対象・受検手数料は対象外:そのため「実質無料」とは言い切れません。給付の詳細は給付金ガイドへ

それぞれの詳細を、以降のセクションで見ていきます。

2. 施工管理技士の費用の全体像(3層構造)

施工管理技士の費用は、大きく次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

2.1 ①受検手数料

技術検定を受けるための手数料です。種目(実施機関)・級・検定区分(第一次/第二次)で金額が異なります。詳しくは下の§3の表で見ていきます。

2.2 ②学習費(独学または講座)

学習方法によって大きく変わる部分です。

  • 独学(教材中心):テキスト・過去問を中心に揃える場合、数千円〜2万円程度が一つの目安です(必要な冊数によって変わります)。
  • 通信講座・スクール:数万円〜10万円超まで、種目・級・コース内容(映像・教材・添削の有無)によって幅があります。

2.3 ③取得後の関連費(該当者のみ)

施工管理技士は登録制ではなく、合格すれば資格が与えられます(合格証明書)。取得そのものに追加の登録費は基本的にかかりません。ただし、1級合格者が現場で監理技術者として配置される段階では、次の費用が関係する場合があります。

項目 金額の目安 いつ必要か
監理技術者資格者証の交付申請 約7,600円 1級合格者が監理技術者として配置される場合
監理技術者講習(5年ごと) 約9,500〜10,000円 上記の資格者証を保持・更新する場合

(出典:建設業技術者センター/監理技術者講習 各実施機関/取得日 2026-05-25。金額は実施機関・年度により変動するため、最新は各機関でご確認ください)

もう一歩詳しく

費用を左右するのは、主に②の学習費です。独学なら教材費だけで済む一方、講座を使えば受講料がかかりますが、第二次検定の経験記述の添削など独学では得にくいサポートが受けられます。学習方法の選び方は 施工管理技士の通信講座を比較、誰が受けられるか(受験資格)は 施工管理技士の受験資格 をご覧ください。

3. 受検手数料は種目・級でいくら?【種目別比較表】

受検手数料は、種目(実施機関)・級・検定区分で異なります。令和7年(2025年)1月1日施行の改定後の金額は以下のとおりです(各種目の指定試験機関・国土交通省/取得日 2026-05-25)。

種目 実施機関 1級 第一次 1級 第二次 2級 第一次 2級 第二次
土木 全国建設研修センター 12,000円 12,000円 6,000円 6,000円
建築 建設業振興基金 12,300円 12,300円 6,150円 6,150円
電気工事 建設業振興基金 15,800円 15,800円 7,900円 7,900円
管工事 全国建設研修センター 12,700円 12,700円 6,350円 6,350円
造園 全国建設研修センター 17,200円 17,200円 8,600円 8,600円
電気通信工事 全国建設研修センター 14,300円 14,300円 7,150円 7,150円
建設機械 日本建設機械施工協会 19,700円 44,500円〜(後述) 19,700円〜 40,800円〜(後述)

(出典:国土交通省「受検手数料・合格基準等」/各指定試験機関 公式/取得日 2026-05-25。受検手数料は消費税非課税です。改定される場合があるため、申込前に必ず各機関の公式で最新をご確認ください)

データを読み解く

表からは、いくつかの傾向が読み取れます。

  • 第一次と第二次は同額で、2級は1級のおおむね半額という構造が、建設機械を除く6種目で共通しています。
  • 金額は種目によって違い、電気工事(1級15,800円)・造園(同17,200円)が高め、土木(同12,000円)が最も低い水準です。
  • 令和7年1月から全種目で引き上げられました。インターネット上には改定前の旧額(電気工事「14,400円」など)が残っていることがあるため、最新額を公式で確認するのが確実です。

3.1 建設機械だけは別体系(種別加算)

建設機械施工管理技士の第二次検定は、実技試験を含み、受検する種別の数に応じて手数料が変わる別体系です。代表的な額は次のとおりです(日本建設機械施工協会/取得日 2026-05-25)。

  • 1級 第一次:19,700円(1種別)
  • 1級 第二次:1種別 44,500円/2種別 57,300円/2種別免除 31,700円
  • 2級 第一次:1種別 19,700円/2種別 39,400円
  • 2級 第二次:1種別 40,800円/2種別 81,600円(種別数 × 40,800円)

なお、建設機械は2級の第一次検定も1級と同額(1種別 19,700円)で、第二次検定は受ける種別の数に応じて加算される点が他の種目と異なります。組み合わせによって金額が変わるため、建設機械を受ける方は 日本建設機械施工協会 の公式で、自分が受ける種別の手数料をご確認ください。

4. 学習費(講座費)の目安

学習費は、独学(教材中心)か通信講座かで大きく変わります(費用の目安は前述の全体像のとおりです)。ここで押さえておきたいのは、第二次検定の経験記述です。経験記述は独学では対策しにくく、添削を受けたい場合は通信講座の受講料がかかります。独学なら教材費中心で抑えられますが、その分の対策は自分で組み立てる必要があります。

もう一歩詳しく

講座費は種目・級・サポート内容(映像講義・教材・添削回数など)で幅があります。各スクールの料金の個別比較・最新価格は 施工管理技士の通信講座を比較【種目・級別】 で扱っています。本記事では「学習にかかる費用は独学なら教材費、講座なら受講料」という費用の位置づけにとどめます。

5. 給付金で費用を抑えられるか(対象範囲を正確に)

受講料の負担を抑える制度として、教育訓練給付金があります。ただし、対象になる費用の範囲には注意が必要です。

5.1 個人が使えるのは「一般教育訓練給付」が中心

個人が利用できる教育訓練給付には種類があり、施工管理技士の通信講座で広く使えるのは一般教育訓練給付で、要件を満たした場合に受講料の20%(上限10万円)が支給されます。より給付率の高い専門実践教育訓練給付・特定一般教育訓練給付もありますが、対象となる講座は限られます。

5.2 給付の対象になるのは「受講料」── 受検手数料は対象外

教育訓練給付の対象になるのは、本人が教育訓練施設へ支払った入学料+受講料のみです。次のものは給付の対象外です(厚生労働省/取得日 2026-05-25)。

  • 検定試験の受験料(=受検手数料
  • 補助教材費の一部・補講費
  • 交通費・パソコンなどの機器費・クレジット手数料 など

つまり、受検手数料は給付の対象になりません。講座費の一部が戻ってくる制度であって、受検手数料を含めた費用全体が安くなるわけではない点を押さえておきましょう。

5.3 企業向けの助成金とは別物

スクールの広告で「30〜70%」と大きく示されている場合、それは企業が申請する人材開発支援助成金を指していることがあります。これは企業向けの制度で、個人がそのまま受けられるものではなく、個人向けの給付(一般20%など)とは別の制度です。

データを読み解く

給付金を使っても、受検手数料の分は給付されず自己負担として残ります。給付の対象講座の探し方・要件・申請の流れといった制度の詳細は 教育訓練給付金 完全ガイド|一般20%・特定一般・専門実践の違いと対象講座 で詳しく解説しています。対象講座かどうかは 厚生労働省 教育訓練給付制度 検索システム でも確認できます。

6. 受検手数料と給付を合わせた実質負担の考え方

ここまでを踏まえ、実際の費用負担の考え方を整理します。具体的な金額は種目・講座・給付の有無で変わるため、あくまで考え方の例としてご覧ください。

たとえば、ある種目を通信講座(受講料の一部が一般教育訓練給付の対象)で学び、受検する場合を考えると、費用は次のように積み上がります。

  • 受講料:対象講座かつ要件を満たす場合、一般教育訓練給付なら20%(上限10万円)が後日支給
  • 受検手数料:全額が自己負担(給付の対象外)
  • (1級で監理技術者として配置される場合)資格者証・講習費:別途

このように、給付を使っても受検手数料は自己負担として残るため、「給付金で実質無料」とは言い切れません。費用の全体像を見るときは、給付の対象になる受講料と、対象外の受検手数料を分けて考えるのがポイントです。

もう一歩詳しく

そもそも給付を受けるには、雇用保険の加入期間などの要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合は給付がゼロになることもあります。要件の詳細は 教育訓練給付金ガイド でご確認ください。

7. 費用に関する注意点

費用を確認するときの注意点をまとめます。

  • 受検手数料は年度・種目で改定されます。令和7年(2025年)1月に全種目で引き上げられました。古いネット情報には改定前の額が残っていることがあるため、必ず各機関の公式で最新額をご確認ください。
  • 建設機械は受検する種別の数で金額が変わります。代表額だけで判断せず、協会公式で自分の受ける種別を確認しましょう。
  • 「実質無料」という表現はよく確認を。給付の対象は受講料の一部で、受検手数料や給付の要件を満たさない場合の自己負担が残ります。

8. よくある質問(FAQ)

Q:施工管理技士の受検手数料は種目で違いますか?

A:違います。1級第一次検定で見ると、土木12,000円・建築12,300円・管工事12,700円・電気通信工事14,300円・電気工事15,800円・造園17,200円と差があります(令和7年改定後)。建設機械は実技を含む別体系です。最新額は各機関の公式でご確認ください。

Q:受検手数料は給付金(教育訓練給付)の対象になりますか?

A:なりません。教育訓練給付の対象は、教育訓練施設に支払う入学料・受講料です。検定試験の受検手数料(受験料)は対象外です。

Q:1級と2級で費用はどのくらい違いますか?

A:受検手数料は、建設機械を除く種目で2級が1級のおおむね半額です(例:土木1級12,000円・2級6,000円)。学習費(講座費)は級・コースによって異なります。

Q:「実質無料」で取れるって本当ですか?

A:給付金の対象は受講料の一部(一般教育訓練給付なら20%・上限あり)で、受検手数料は対象外です。また給付には要件があります。そのため、受検手数料や給付対象外の費用は自己負担として残り、「実質無料」とは言い切れません。

Q:合格後にかかる費用はありますか?

A:施工管理技士の取得そのものに登録費は基本的にかかりません。ただし、1級合格者が監理技術者として現場に配置される場合は、監理技術者資格者証の交付申請(約7,600円)や、5年ごとの監理技術者講習(約9,500〜10,000円)が関係します(金額は実施機関・年度で変動)。

Q:建設機械だけ受検手数料が高いのはなぜですか?

A:建設機械施工管理技士の第二次検定は実技試験を含み、受検する種別の数に応じて手数料が加算される別体系のためです。詳しくは日本建設機械施工協会の公式でご確認ください。

9. まとめ ── 施工管理技士の費用

本記事では、施工管理技士の費用を受検手数料・学習費・取得後の関連費に分けて解説してきました。

  • 費用は3層構造:受検手数料+学習費(独学or講座)+取得後の関連費(該当者のみ)
  • 受検手数料は種目で異なる:土木1級12,000円〜造園17,200円・建設機械は実技で別体系(令和7年改定後)
  • 給付金は受講料の一部が対象・受検手数料は対象外:「実質無料」とは言い切れない

費用は種目・級・学習方法・給付の有無によって変わります。受検手数料は年度で改定されるため、申込前に必ず各指定試験機関の公式で最新額をご確認ください。給付を使う場合も、対象になる受講料と対象外の受検手数料を分けて、実際の負担を見積もるのがおすすめです。

次に読むべき記事

施工管理技士の講座・受験資格・給付金については、以下の記事で深掘りします。

出典


文責:現場エンジン編集部
最終更新日:2026-05-25