建設機械施工管理技士とは|2級の6種別・実技試験・1級と2級でできること・最新の合格率

「建設機械施工管理技士に興味があるけれど、重機の運転免許とは何が違うのか」「2級の『第1種〜第6種』という種別は何なのか」と、入口で迷う方は少なくないようです。本記事では、建設機械施工管理技士を、日本建設機械施工協会・国土交通省などの一次情報をもとに解説します。

施工管理技士は7種目あり、本記事はそのうち建設機械種目に固有の内容(種別・実技試験・対象となる工事・1級と2級の役割・最新の合格率)に絞ってお伝えします。受験資格や費用、講座選びなど7種目に共通する仕組みは、それぞれのまとめ記事へリンクで案内します。資格全体の位置づけは 施工管理技士とは|7種目・1級と2級の違い・できること・将来性 をご覧ください。

なお本記事は、データに基づく中立性を保つことを編集方針としています。詳しくは 編集ポリシー免責事項 をご覧ください。

1. 結論先出し ── 建設機械施工管理技士の要点3つ

最初に、建設機械施工管理技士の要点を3つに整理しておきます。

  1. 実施機関は日本建設機械施工協会:建設機械施工管理技術検定は、国土交通大臣が指定した一般社団法人 日本建設機械施工協会が実施します(他の6種目を担当する建設業振興基金・全国建設研修センターとは別の機関です)
  2. 2級は「第1種〜第6種」の種別に分かれ、対応する建設業は土木・とび土工・舗装の3業種:種別は扱う建設機械の系統(トラクター系・ショベル系など)による区分で、1級は申込時に2つの種別を選びます
  3. 第二次検定に実技試験(実機の運転操作)がある:他の施工管理技士が筆記中心なのに対し、建設機械は実際に建設機械を運転操作する実技が含まれます(詳しくは本文)

それぞれのポイントを、詳しく見ていきます。

2. 建設機械施工管理技士とは ── 仕事と実施機関

建設機械施工管理技士は、ブルドーザーやショベルなどの建設機械を用いる工事の現場で、施工を計画・管理するための国家資格です。掘削・整地・締固め・舗装・基礎工事といった工事で、工程・品質・安全・原価を管理し、現場をまとめる役割を担います。実際の担当範囲や役割は、勤務先・経験年数・配置条件などによって異なります。

建設機械施工管理技術検定を実施するのは、一般社団法人 日本建設機械施工協会(国土交通大臣が指定した試験機関)です。施工管理技士の7種目は種目ごとに実施機関が異なり、建築・電気工事は建設業振興基金、土木・管工事・造園・電気通信工事は全国建設研修センターが担当しますが、建設機械はそのどちらでもなく、7種目のなかで日本建設機械施工協会だけが担当する種目です。7種目それぞれの対象工事と実施機関の一覧は、施工管理技士とは でまとめています。

なお、この資格は以前「建設機械施工技士」と呼ばれていましたが、令和3年度の制度改正で(他の種目と同様に)「施工管理技術検定」へ統一され、合格者の称号も「建設機械施工管理技士」になりました。

2.1 運転免許・技能講習との違い

建設機械施工管理技士は、重機の運転免許技能講習と混同されがちですが、これらは目的も所管も異なる別の資格です。

  • 建設機械施工管理技士:建設業法に基づく国家資格(国土交通省系)。建設機械を用いる工事の施工を計画・管理するための資格です。
  • 運転免許(道路交通法):公道で建設機械(車両)を走行させるための免許です。
  • 車両系建設機械運転技能講習・特別教育(労働安全衛生法):作業現場で建設機械を操作するために必要な、安全衛生上の就業資格です。

つまり、建設機械施工管理技士は「機械を操作するための資格」ではなく、建設機械を使う工事の施工を管理するための資格です。ただし、検定の第二次に実機の運転操作(実技)が含まれる点は、他の施工管理技士にない特徴です。

3. 1級と2級でできること(建設機械種目)

建設機械施工管理技士は、「資格を持つ人だけが特定の作業をできる」というタイプの資格ではなく、工事現場への配置が義務づけられている技術者(主任技術者・監理技術者)になるための資格です。1級と2級では、満たせる要件の範囲が異なります。

3.1 2級建設機械施工管理技士でできること

2級建設機械施工管理技士(第〇種)は、建設工事の現場で主任技術者の資格要件を満たします。また、一般建設業の営業所に置く専任技術者にもなれます。主任技術者は、元請・下請を問わず工事現場への配置が義務づけられる技術者です。

3.2 1級建設機械施工管理技士でできること

1級建設機械施工管理技士は、主任技術者に加えて、大規模な工事で配置が義務づけられる監理技術者の資格要件を満たします。また、特定建設業の営業所に置く専任技術者にもなれます。

もう一歩詳しく

建設機械施工管理技士が対応するのは、土木工事業・とび・土工・コンクリート工事業・舗装工事業の3業種に係るものです(1級・2級とも、また種別に関わらずこの3業種が対象です)。監理技術者が必要になる工事の規模(下請契約金額の要件)や、主任技術者・監理技術者の制度は、建設機械種目に固有のものではなく7種目に共通します。詳しくは 施工管理技士とは で解説しています。

なお、1級第一次検定の合格者(1級技士補)で主任技術者の要件を満たす方は、監理技術者を補佐する「監理技術者補佐」になれます(対象はやはり土木・とび土工・舗装の3業種に係る工事です)。1級第一次の合格だけで補佐になれるわけではない点は、未経験から施工管理を目指すには でも整理しています。

※令和6年12月の建設業法改正により、「専任技術者」は「営業所技術者」(一般建設業)・「特定営業所技術者」(特定建設業)に呼称が変更されています。本記事では、読みやすさのため、慣用的な「専任技術者」の表記を使っています。

4. 受験資格(建設機械の補足)

令和6年度(2024年度)の改正で、受験資格の考え方が変わりました。建設機械種目も、この枠組みが適用されます。

  • 第一次検定:1級は19歳以上、2級は17歳以上(いずれも受験年度末時点)であれば、実務経験がなくても受験できます。
  • 第二次検定:第一次合格後の実務経験が必要です(合格すると「技士」)。

もう一歩詳しく

2級の第二次検定に進む実務経験には、第一次合格後の施工管理の実務に加えて、種別に関する建設機械を操作して建設工事を施工した実務(補助作業を含む)が6年以上というルートも設けられています。これは実技を伴う建設機械種目ならではの特徴です。学歴別に必要な実務年数、改正前の受験資格が使える経過措置(令和10年度まで)といった詳しいルートは、7種目に共通する内容として 施工管理技士の受験資格をわかりやすく解説|1級・2級の実務経験と新旧の違い で扱っています。

5. 2級の6種別と1級の種別選択

建設機械種目で最も特徴的なのが、種別です。他の多くの種目には種別がない(または建築・土木のように担当する建設業が分かれる種別がある)のに対し、建設機械の種別は「どの建設機械を扱うか」による区分になっています。

5.1 2級の6つの種別

2級建設機械施工管理技士は、扱う建設機械の系統によって、第1種〜第6種の6つの種別に分かれます。

種別 名称 代表的な建設機械
第1種 トラクター系建設機械 ブルドーザー、トラクター・ショベルなど
第2種 ショベル系建設機械 パワー・ショベル、バックホウ、クラムシェルなど
第3種 モーター・グレーダー モーター・グレーダー
第4種 締め固め建設機械 ロード・ローラー、タイヤ・ローラー、振動ローラーなど
第5種 舗装用建設機械 アスファルト・フィニッシャーなど
第6種 基礎工事用建設機械 くい打機、くい抜機、大口径掘削機など

(出典:日本建設機械施工協会「2級建設機械施工管理技術検定 受検の手引」種別一覧/取得日 2026-05-31)

2級は出願時に種別を選び、合格した種別に応じて「2級建設機械施工管理技士(第〇種)」と称します。第二次検定は第一次で合格した種別で受験します。なお、1回の試験で1つの種別、または奇数種別(第1・3・5種)と偶数種別(第2・4・6種)から1つずつの2種別を受験することもできます。

5.2 種別は「どの機械か」であって「どの建設業か」ではない

ここで押さえておきたいのは、建設機械の種別はあくまで「扱う機械の系統」の区分で、対応する建設業を分けるものではないという点です。どの種別で合格しても、対応する建設業は土木工事業・とび土工工事業・舗装工事業の3業種で共通です。建築や土木の種目のように「種別によって担当できる建設業が変わる」仕組みとは異なります。

5.3 1級は種別を分けず、第二次で2種別を選ぶ

1級は種別を分けない単一の検定ですが、第二次検定(後述の実技)では申込時に第1種〜第6種から2つの種別を選んで受験します。合格者の称号は「1級建設機械施工管理技士」で、2級のような「(第〇種)」の種別表記は付きません。

6. 第二次検定の実技試験(実機の運転操作)

建設機械種目が他の6種目と最も大きく違うのが、第二次検定に実技試験(実機による運転操作)があることです。

6.1 筆記だけでなく実技がある

他の6種目の第二次検定が記述式や択一式の筆記中心であるのに対し、建設機械の第二次検定は筆記試験と実技試験の両方で構成されます。

  • 1級:第二次検定=筆記試験(記述式)+実技試験
  • 2級:第二次検定=筆記試験(四者択一式)+実技試験
  • 第一次検定:1級・2級とも筆記試験(四者択一式・マークシート)のみ

実技試験は、選んだ種別の実機を運転操作する試験です。試験コースや操作の内容は当日の試験会場で説明されます。

6.2 実技は別日に実施される

実技試験は、第一次検定や第二次検定の筆記とは別の日(例年は夏から秋ごろ)に実施されます。具体的な操作内容や採点の基準は年度によって異なるため、最新の情報は日本建設機械施工協会の公式情報でご確認ください。

なお、実技試験を伴うため、受検手数料の体系も他の種目とは異なります。費用の詳細は 施工管理技士の取得費用はいくら?受検手数料・講座費・給付金まで【種目別】 で扱っています。

7. 建設機械種目の合格率データ

建設機械種目の合格率を、日本建設機械施工協会の公表データ(令和7年度・第一次検定)で見ていきます。合格率は年度・区分・種別によって変動するため、年度・区分・種別をセットで確認するのが基本です。

7.1 1級建設機械施工管理技術検定の合格率(第一次)

区分(令和7年度) 受検者/合格者/合格率
第一次検定 2,333/526/22.5%

(出典:日本建設機械施工協会「令和7年度 1級建設機械施工管理技術検定 第一次検定 合格発表」/取得日 2026-05-31)

7.2 2級建設機械施工管理技術検定の合格率(第一次・種別別)

種別(令和7年度・第一次) 受検者/合格者/合格率
第1種 トラクター系 473/228/48.2%
第2種 ショベル系 4,349/1,994/45.8%
第3種 モーター・グレーダー 71/34/47.9%
第4種 締め固め 421/120/28.5%
第5種 舗装用 91/42/46.2%
第6種 基礎工事用 61/27/44.3%
種別計 5,466/2,445/44.7%

(出典:日本建設機械施工協会「令和7年度 2級建設機械施工管理技術検定 第一次検定 合格発表」/取得日 2026-05-31。受検者の大半は第2種〔ショベル系〕が占めます。表の「種別計」が2級全体の合格率です)

データを読み解く

第二次検定は実技試験を含み、その合格発表は例年11月ごろと第一次より遅いため、本記事の作成時点(2026年5月)では令和7年度の第二次の結果は公表されていません。最新の第二次の合格率は公式でご確認ください。

公表されている第一次の合格率で見るかぎり、2級は種別によって数値に幅があります(令和7年度は第1種48.2%〜第4種28.5%)。ただし、種別ごとに受験者数や受験者層が大きく異なる(第2種が大多数を占める)ため、種別間の合格率を単純に比べることはできません。また、建設機械は第二次に実技試験がある分、他の種目と試験の構造が違うため、合格率だけで難易度を比較することはできません。最終的な合否は、本人の学習量・経験・受験対策によって変わります。他の種目との比較や数字の見方は、施工管理技士の難易度・合格率を一次データで解説 で扱っています。

8. 令和6年度改正 ── 受験資格の変更と出題の扱い

令和6年度(2024年度)の改正は、主に受験資格に関するものです。前述のとおり、第一次検定は年齢要件を満たせば実務経験がなくても受験でき、第二次検定は第一次合格後の実務経験が必要になりました(令和10年度までは改正前の受験資格による経過措置があります)。

一方、試験の出題そのものは従来どおりです。日本建設機械施工協会の公式情報では、第一次・第二次検定の出題分野・出題数・出題形式はこれまでと変わらないとされています。他の一部の種目で行われた第二次検定の出題の見直し(経験を記述する設問の見直しなど)は、建設機械では行われていません

9. 試験スケジュールと申し込み

建設機械施工管理技術検定は、第一次検定(四者択一式のマークシート)と第二次検定(筆記試験と実技試験)で構成されます。試験日は年度によって変わりますが、近年は次のように実施されています(日本建設機械施工協会)。

  • 第一次検定・第二次検定の筆記:例年6月ごろに同じ日に実施
  • 第二次検定の実技:例年は夏から秋ごろに別日で実施

なお、第一次検定と第二次検定の筆記を同じ日に実施するため、同じ年度に第一次と第二次を同時に受験することはできません(第二次検定は第一次合格者が対象です)。この点は他の種目と運用が異なります。

申し込みは、日本建設機械施工協会のWebサイトからのインターネット申請が基本です。最新の日程・申請方法・受検手数料は、必ず日本建設機械施工協会の公式情報でご確認ください。受験にかかる費用や教育訓練給付金の使い方は、施工管理技士の取得費用はいくら?受検手数料・講座費・給付金まで【種目別】 で解説しています。

10. よくある質問(FAQ)

Q:建設機械の2級に種別はありますか?

A:あります。2級は扱う建設機械の系統によって第1種〜第6種(トラクター系・ショベル系・モーター・グレーダー・締め固め・舗装用・基礎工事用)に分かれます。種別は「どの機械を扱うか」の区分で、どの種別でも対応する建設業は土木・とび土工・舗装の3業種で共通です。1級は種別を分けず、第二次検定で2つの種別を選んで受験します。

Q:建設機械施工管理技士は、重機の運転免許のことですか?

A:いいえ。建設機械施工管理技士は、建設業法に基づく施工管理の国家資格で、建設機械を用いる工事の施工を計画・管理する資格です。公道で走行させる運転免許(道路交通法)や、現場で機械を操作するための技能講習・特別教育(労働安全衛生法)とは目的も所管も異なります。ただし、検定の第二次に実機の運転操作(実技)が含まれる点は、他の施工管理技士にない特徴です。

Q:第二次検定の実技ではどんなことをするのですか?

A:選んだ種別の実機を運転操作する試験です。試験コースや操作の内容は当日の試験会場で説明されます。具体的な内容や採点の基準は年度によって異なるため、最新の情報は公式でご確認ください。

Q:令和6年度に第二次検定の経験記述は見直されたのですか?

A:建設機械では出題の見直しは行われていません。令和6年度の改正は主に受験資格に関するもので、第一次・第二次検定の出題分野・出題数・出題形式は従来どおりです(一部の他種目では第二次の出題見直しが行われましたが、建設機械は対象外です)。

Q:いきなり1級から受けられますか? 2級を先に取るべきですか?

A:1級の第一次検定は19歳以上(受験年度末時点)であれば、2級を取っていなくても受験できます。ただし、1級の第二次検定(合格すると1級技士)には第一次合格後の実務経験が必要です。どちらから受けるべきかは状況によるため一概には言えません。詳しい受験ルートは 施工管理技士の受験資格 をご覧ください。

Q:建設機械は他の種目より難しいですか?

A:合格率は年度・種別によって変動し、種目ごとに受験者層も異なります。とくに建設機械は第二次に実技試験がある分、他の種目と試験の構造が違うため、合格率だけで難易度を比較することはできません。種目別の合格率の見方は 施工管理技士の難易度・合格率を一次データで解説 で詳しく解説しています。

11. まとめ ── 建設機械種目は「種別と実技」を押さえる

本記事では、建設機械施工管理技士を建設機械種目に固有の視点で解説してきました。

  • 実施機関は日本建設機械施工協会:建設機械施工管理技術検定を実施する(他の6種目を担当する建設業振興基金・全国建設研修センターとは別の機関)
  • 2級は第1種〜第6種の種別・対応建設業は3業種:種別は扱う機械の系統による区分で、対応する建設業は種別に関わらず土木・とび土工・舗装の3業種。1級は第二次検定で2種別を選んで受験
  • 第二次検定に実機の運転操作(実技)がある:他の施工管理技士にない特徴。ただし機械を操作する資格ではなく、機械を使う工事を管理する資格
  • 令和6年度改正は受験資格が中心:第二次検定の出題見直しは建設機械では行われていない。合格率は年度・区分・種別とセットで見る(実技を含むため他種目と単純比較できない)

建設機械施工管理技士は、種別と実技という独自の仕組みを持つ種目です。まずは「運転免許や技能講習との違い」を押さえたうえで、「どの種別で受けるか」「1級・2級のどちらを目指すか」を確認しておくと、受験の流れを整理しやすくなります。受験資格・費用・講座・難易度といった7種目に共通する内容は、それぞれの記事で深掘りしています。

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出典


文責:現場エンジン編集部

最終更新日:2026-05-31